注射ができるようになる事で変わること

活動報告

今井記念海外助成基金の支援を受け、本年度行っている看護学生の教育指導。
国立コサマック病院の脳神経外科病棟では、ベッドが20台程しかない病棟に、医学生30名、看護学生20名、なんて状況は見慣れた光景です。そしてその実習中、指導者の引率などはないため学生はほぼ放置状態の中、患者さんへ処置はスタッフ同様に行います。
このようにカンボジアの医療者教育はまだ整備されているとは言い難く、実習中の学生を見てヒヤヒヤする事は多々あります。

例えば、初めて注射をする看護学生5人が患者を取り囲み、1人ずつ注射をしていきます。「一人が失敗すると次の人」といった具合に行いますが、正しい方法を理解している人がいないため、大抵次の人も失敗します。
病気を治しにきているはずの患者さんに、余計に苦痛やストレスを与えている事に、注射手技で精一杯の学生さん達は気がつきません。

私たちは患者さんに直接処置を行う前に、マネキンで練習する場を作り、患者さんの苦痛を減らそうと考えました。また看護学生は他の実習先でも同様の処置を行うため、正しい手技を習得したら、今後彼らが出会う患者さんに対しても安全な処置を提供出来るようになります。

1つ1つの手技を確実に行える看護師が増える事で、カンボジアの医療は少しずつ変わっていきます。
たくさんの医療者が自信を持って医療を行う事ができるよう、私たちは「医療を育むプロジェクト」を続けていきます。
今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願い致します。

注射指導