看護師なんて、どこも大差ないと思ってた。間違いだった。

最初は「え!?」って思いました。
熊本の総合病院から転職して入った、北原国際病院。そこでは看護師の先輩たちが、医師並みの仕事をしていたのです。

私が配属された一般病棟は、比較的症状の落ち着いた患者さん中心の職場です。ただ脳疾患の場合、いつ何どき再出血や再梗塞が起こるかわからない。中には意識レベルは変わってないけど、実は…というケースや、まさかこの患者さんが!?という場合もある。

さらに脳疾患は、出血の起こる場所によって体に起こる変化がちがいます。患者さんの手の動き、歩き方、発する言葉。脳疾患をかなり熟知していなければ、異常を判断することができません。

北原は可能な限りたくさんの患者さんを診る姿勢を大切にしている病院。先生たちは外来・OPE・カテととにかく忙しく、常に病棟にいてくれるわけではありません。時間帯によってはほとんど来ることもできません。

それでも病棟が機能しているのは、看護師に医師並みの知識・判断力があるから。特にリーダークラスの先輩たちは、本当にすごいと思います。私には何の異常もないように見える患者さんも、「ちょっとおかしい」とすぐ気づく。

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脳って本当に構造が難しいのに、どうしてこの人たちは、こんなに詳しいんだろう。入職してしばらくは、そう思ってた。でもはたらいているうちに、その理由がわかりました。北原は、さまざまな工夫で脳のことを教えてくれる。中でも私が驚いたのは、脳の模型をつくる研修ですね。針金を使って細かい血管から脳を再現することで、写真や図解ではとらえにくい、脳の構造をきちんと把握することができる。この研修を受けてから、先輩たちの会話もぐんと理解できるようになりました。

それともう1つ、北原に入って驚いたことがあります。看護師の仲の良さ、後輩へのやさしさです。前の病院は、いつもピリピリしている職場だった。ここはとにかくフラットだし、私のこと、しっかりフォローしてくれる。人間関係の良さに、何度助けられてきただろうって思いますね。知識や技術だけでなく、人間性も含めて尊敬できる看護師がいる。まえの病院にはなかった魅力が、ここにありました。