社会を変える看護師になる。

もともと、看護師にこだわっていたわけじゃないんです。

高校のとき大きな病気になって、医療の道に興味がわきました。だけど僕は、バリバリの文系。受験までに理転するのはちょっと厳しい。けど慶應の看護医療学部なら、英語と生物で受験できる。それで、とりあえず看護の道へ進むことにしたんです。

大学に入って看護を学んだら、今度は医療を取り巻く環境が気になりはじめました。たとえば実習で訪問看護をすると、麻痺のある高齢者の方が、自宅で一人暮らしを余儀なくされている事実を目にしたりする。何か歪んでない?って。今の日本って、幸せな国なのかな?って。もっと社会を良くしたい。そんな気持ちが、ムクムクと大きくなりました。

実は一時期、一般企業に就職することも考えたんです。けど大学の先生に、「自分の経験にもとづいていないと、説得力がないよ」って言われて。だったらまず看護師になって、現場レベルで経験を積もうと。

そんな僕にとって、北原はまさにうってつけの職場でした。北原はカンボジアプロジェクトや東北プロジェクト、ファームプロジェクトなど、病院の枠にとらわれず、社会問題の解決に取り組む病院。しかもそのプロジェクトには、職種問わず誰でも参加することができます。看護師としてのスキルはもちろん、マーケティングや対外交渉力など、幅広い能力を身につけるチャンスがあります。

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さらに、教育も非常にユニーク。

通常の看護研修とは別で、新人合同研修というものがあります。これはリハビリ科や医事課、検査科など、部署を横断して行われる研修で、主に「問題発見力」や「課題解決能力」を身につけるもの。たとえば僕がいまこの研修で取り組んでいるのが、「北原国際病院の外来の売上を10%上げる方法を考えなさい」という課題。他部署のスタッフとチームを組んで、企画を進めています。こんな研修、ふつうの病院じゃ考えられないですよね。

僕は将来、起業して社会を変えるような仕事をしたいと思っています。できれば、30代のうちに。20代はそのための準備期間。ここでみっちり、自分を鍛えるつもりです。そういう看護師がふえたら、日本はもっと変わるんじゃないかなぁ。本気で、そう思いますね。