他部署のスタッフが、看護師を成長させてくれる。

この病院には、本物のチーム医療がある。それが北原を選んだ決め手です。
その根拠は?って聞かれると、説明しづらいんですけど…。僕も実習でいろんな病院を見たし、就職活動で7つくらい病院見学もしました。その上で、「北原は明らかに院内の空気がちがうな」と感じたんです。職員みんなが参加するイベントが多いって聞いていたのも、そう感じた理由かもしれませんね。富士登山だとか、流しそうめんだとか。職種に関係なく、人間関係を築ける場所がある。そんな病院だったら、きっといい連携が取れるんじゃないかなって。

実際に働き出してみて、その印象は間違ってなかったと実感しています。いまは研修で様々な職場をローテーションしているんですけど、どこに行っても他職種との絡みが多い。しかも、みんなが協力し合うのが当たり前、という空気があるんです。たとえば検査するとき、ふつうは看護師が患者さんを検査室に連れて行きますよね。北原は、検査科の人が患者さんを送り迎えしてくれるんです。衝撃的でしたね。そんなことする検査科の人、初めて見ましたから。

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チームワークの良さは、看護師としての成長にもつながっています。先日、リハビリテーション病院で働いているときに、こんなことがありました。その患者さんは脳梗塞による障がいで、失行を発症していました。歯ブラシと間違えて歯磨き粉で直接歯を磨いていたり、うがいなのに飲み込んでしまったり。教科書で「失行」という言葉は知っていましたが、あくまで知っていただけ。「何とかしてあげたい」と思っても、自分には何もできません。

悩んだ僕は、先輩に相談しました。そしたら先輩が、リハビリ科のスタッフに協力をお願いしてくれたんです。その患者さんがリハビリの時間にやっているメニューを教えてもらって、同じことを病室でやってみたり、一緒に並んで歯磨きをしてみたり、歯ブラシや歯磨き粉に番号札をつけてみたり。そうしたら、徐々に失行が治っていったんです。「これがチーム医療の力なんだ!」と実感しましたね。

他部署のスタッフを交えて会話をしていると、視点のちがいに驚くことが多いです。看護師としか接することができない病院では、間違いなくこうはいかないでしょうね。