今回は、私サイママが就労支援の取り組みを始めたきっかけについて、少しだけ紹介させていただきます。
10年程前、私は「患者さんの生活を支援したい!」という思いで、作業療法士として、そして社会人としての第一歩を踏み出しました。同期や先輩達に見守られながら自分の無力さを実感しながらも、ただがむしゃらに毎日を過ごしていたことを思い出します(笑)。そんな中、就労支援を始めるきっかけとなった40代・50代の男性の患者さん達と出会ったのは、社会人1年目が終わる頃でした。
脳卒中を発症後、自宅へ退院したある患者さん。外来リハビリに通ってきたある日、「本当は働きたいんだよね。でも、いざ働くとなると不安もあるからさぁ。。」とポロっとこぼした一言に何も言えず、沈黙が続きました。
また、別の患者さんとのリハビリでは、「(働けなくなって)家で肩身が狭くてなぁ~。」とボソッと。「そうですかぁ・・・。」としか言えずに話題は終了となりました。
40代・50代の働き盛りの彼らにとって、脳卒中を発症後、自宅退院を目指すリハビリだけでは本当の意味での目標は達成されない。そのことについて頭で理解していても、実際に何も出来ていなかった自分が、只々情けなく思えました。
それと同時に、働き始めてまだ1年目の私でも少しずつ働くことの面白さを感じているのに、私よりもはるかにキャリアを積み、そして、家庭の大黒柱でもある彼らにとって「働けない」という状況は・・・と考えるだけで、彼らの言葉の重みを痛感しました。
そして、「ただ思っていてもダメだ。行動に移さなければ何も変わらない!」と実感した瞬間でもありました。
こんな出来事をきっかけに、社会人2年目に「働くことを希望する患者さんを支援できる人になろう!」と決意!!
「もう一度働くための自信を持てる」そんな場所づくりから始めることにしました。(これがボランティアサークルあしたばの始まりです)
現在、就労支援に取り組み始めて約8年が経ちました。無謀とも言える行動とも言えますが、彼らとの出会いから得た「思い」を少しずつ形に出来ていることは、私自身にとって、とても貴重な経験です。
彼らとの出会いを大切に、今も変わらず当時の想いを胸に、仕事をしています。
そして、今後も初心を忘れずにがんばりたいと思う今日この頃です。
【就労支援ブログその2】