給与交渉で知った、パートナーの重要性

さて、今回は給与交渉についての体験談をお話します。
「給与交渉」という言葉は、お金の匂いがプンプンであまり良い響きの言葉ではありませんね。しかし、マネジメントする者にとっては決して避けられない大切な仕事です。ましてや、海外での給与交渉なんて、どこから手をつけてよいのやら・・・。国によって給与水準は違うことは分かっていましたので、まずはできる限りの情報を集めました。
看護師さんの面接をしていると、以前の勤務先(病院やクリニック)でどのくらい給与をもらっていたのかも教えてくれるので、「へー、そんなにもらってるんだ~。じゃあうちもこれくらい出さないとだめなのかな」などと、人の良いまる子は思ってしまっていましたが、これが大きな落とし穴で。すでにここから給与交渉は始まっていたのです!
面接に来る中国人看護師さんは皆自己アピールが上手い、というか、強気でした。自分は日本語がこれだけできる、看護師としてこれだけ優秀である、だからこれだけの価値がある!と売り込んできます。
人を疑うことを知らないまる子は、「これだけ優秀な人に来てもらえたら、いいかも~」とすぐに思ってしまうのですが、そこでまる子を助けてくれたのが、通訳のLさんでした。
Lさんはまる子と同い年の中国人女性(当時28歳)。まる子が面接で惚れ込んで採用した方なのですが、日本語力も事務処理能力もバツグンで、採用後すぐにまる子の片腕となってくれました。

海外で仕事をするとき、現地のパートナーやスタッフは本当に重要です。通訳ひとつとっても、きちんとこちらの考え方を理解してくれていないと、文化の違いや思い込み等が絡まって誤解を生んでしまうこともあるのですが、彼女はそのあたりのことをきちんと理解して仕事をしてくれました。
そんな彼女が採用面接の際も色々とアドバイスをしてくれたのです。
「まる子さん、相手の言ったことを鵜呑みにしちゃいけません。面接では皆絶対自分を大きく見せますから。」
言われたとおり、面接は慎重に行いました。しかしまる子は医療者じゃないので看護師の経験や技術を判断できません。ですので、院長にも一緒に面接に入ってもらい、臨床面の経験・知識を確認してもらいました。
何人も面接を繰り返す中で、このレベル・経験の看護師はこれくらい、日本語能力試験●級でいくらプラス、というような基準ができてきました。
きちんとした基準さえできれば、こちらも自信を持って交渉できます。かなりの数の面接をこなしましたが、最終的にとても素敵な看護師さんを1名雇うことができました。

【海外プロジェクトブログその6】