ゼロから消化器外科をつくるという事

がん専門病院での医療の在り方に疑問を感じ始めていたころ、医療のパッケージ輸出という言葉に出会いました。その後、不思議なご縁に導かれるようにカンボジアへの医療事業に尽力されている北原国際病院を知ることとなりました。脳神経外科専門病院ですが、何が自分にできることはないかと理事長先生にお願い入して入職させて頂きました。がん治療では、80歳以上は標準治療の適応外です。しかし、脳血管外科の領域では様々な医療が高いレベルで提供されています。高齢者医療における現実を知ることができただけでも、私にとって大変有意義でした。

hokamura_2

常勤医として採用して頂き、丸1年が経過しました。消化器外科はおろか消化器を専門にする医師は誰もいない状況でしたが、自分にできることを見つめ直し、まず内視鏡部門の充実に尽力いたしました。現在では大腸内視鏡検査、内視鏡治療まで行えるようになりました。検診業務も勉強し、マンモグラフィーの読影資格も身に着けました。高齢者が多いため、がん患者もしばしば発見されます。基礎疾患が多く他院に紹介しても断られる症例に対しては、外科治療も行っています。短期間の間に様々な業務が滞りなく行えるようになった背景には、当院に流れる「患者さんの治療に皆で全力を尽くす」という精神があるように思います。多くのスタッフは消化器疾患など診たことがありませんでしたが、とても積極的に協力して頂きました。今後、更に発展させるためできる限り努力したいと考えております。

hokamura_3

 

自分に何ができるか?

私は15年以上がん治療に取り組み、センター病院で専門治療を実施して参りました。しかし、それは環境に依存する部分も多くありました。「センター病院だから」「スタッフが充実しているから」「高度なシステムがあるから」がん治療に専念できたのはこれらのお陰です。それらが全くない環境におかれた時、本当の自分の実力が分かります。国内であればまだ言葉と文化の壁がありません。海外で医療を提供するときは、さらに多くの壁に立ち向かわなければなりません。それは厳しいことですが楽しくもあります。医療における自分の技術と知識を再認識することにもつながります。何が本当に大切なのか、それを見つけられるかもしれません。思い切って、飛び込んでみられてはいかがでしょうか。

お問合せ・資料請求フォームへ