2016年春、カンボジアの首都プノンペンに日本式病院 ”Sunrise Japan Hospital”が開院します。その丁度1年前となる今年春、医療法人社団KNI でカンボジア人医療者の研修受け入れを始めてから季節は巡り、もう秋も終わりとなります。今月末で何名かの研修生は研修修了となるため、28日の帰国前に研修生13名の研修修了式を行いました。
修了式では研修生ひとり一人から研修で学んだ事や感想を発表してもらいました。皆、言語や文化の違いなどたくさんの事に苦労したようですが、幾度もその波を乗り越え、逞しく成長したと思います。
修了式では、指導者からもコメントをもらったのですが、その中で印象的なエピソードを話した指導者がいました。看護師の玉置さんです。
「研修が始まったばかりの頃は、12時になるとご飯に行ってしまう、5時近くになると帰りたくてそわそわしてしまうなど、日本では考えられない行動が多く、その価値観の違いに戸惑いました。そして、これからの研修について本当に悩みました」
「でも今では、12時になってもお昼に行ってしまうこともなくなり、そしてやるべき事を自分で見つけ実践し、誰よりも遅く帰るようになりましたね。まだまだ一人前ではないけれど、すごく成長したと思います。」
コメントの中には、「まだ一人前ではない」「これからも努力が必要」と、厳しい言葉もありましたが、その背後にある「頑張れ!」という玉置さんの愛を、彼女の潤んだ目を見て研修生も感じとっていたと思います。様々な試練を乗り越えて行く中で、築きあげた絆を感じる瞬間でした。
「研修は終わるけど、ここからが始まり」と指導者たちが言っていたように、カンボジアに戻ってからが彼らにとっての本当の始まりであり、試練となります。カンボジアにある「日本式の病院」は、日本で学んだことをそのまま使えないことも多々あります。カンボジアの文化や慣習と融合していくためには、カンボジアの良い部分・日本の良い部分を上手く取り入れ、自分たちで作り上げていく必要があるのです。もちろん日本人スタッフもいますが、今後は彼らの国の人々が患者さんとなるため、彼らが主体となっていかなくてはなりません。彼らの力が試されるのです。
12月4日には12名の新たな研修生も加わります。
カンボジアの国のこと、習慣のこと、今では日本のスタッフもだいぶ理解する事ができるようになりました。日本で研修を受けるスタッフ、一足先にカンボジアに戻り開院準備に携わるスタッフがいますが、指導者含め、皆の願いはひとつだと思います
『私たちは「世界一信頼される病院」へ成長し続けます。』
Aiming for the most reliable hospital in the world.
この病院理念の元、彼らが病院と共に成長していく姿を楽しみに、これからも彼らが自信を持って巣立っていけるよう研修を行っていきます。