NGO日本医療開発機構では年に数回、カンボジアでのスタディーツアーを開催しています。
カンボジアは近年著しい経済発展を続けていますが、医療分野はまだまだ課題が多く残っています。このツアーを通し、自身の目で医療現場を見て、一緒にカンボジアの医療について考えていただきたいと考えています。
さてスタディーツアー初日はカンボジアの歴史を学ぶため、市内を回りました。
まず最初に訪れたのは「キリングフィールド」。
ここではポル・ポト政権時下のカンボジアで大量虐殺がありました。敷地内には慰霊碑があり、亡くなった方の遺骨を見ることができます。参加者の中には涙を流してしまう方もいらっしゃいました。
次に訪れたのは「王宮」です。
ここではカンボジアの建築や装飾品などを見ることができます。私たち以外にも、多くの観光客で賑わっていました。
そして初日最後に訪れたのは「トゥールスレン刑務所」。
ここでは多くの人が監禁され、拷問を受けていました。施設の中には、拷問で使用した道具や監禁されていた部屋などが当時のまま残されています。
今回の現地ガイドを担当して下さったソペアさんは途中で「話をすると、涙が止まらなくなってしまう」と、説明ができなくなってしまいました。
暗い時代が終わって数十年が経ちますが、今も尚、現地の人たちにとってこの歴史は心に深い傷となっています。
「キリングフィールド」や「トゥールスレン刑務所」で亡くなったほとんどは知識人。当時“国民は農業だけをやっていればいい”と考えていたポル・ポトにとって、医者や教師、学生などは反逆の恐れのある危険因子とみなされてしまったのです。
この歴史はその後のカンボジアにおける医療分野の問題にも大きく関わってきます。
では、現在のカンボジアの医療分野の課題とは?
ツアー2日目は、私たちNGO日本医療開発機構が関わる現場を見学します。
(2日目へつづく)