カンボジアの首都プノンペンに救命救急センターを設立する!
課題は山積みですが、その一つがセンターの立地選びでした。
皆さんは、救命救急センターを設立する際の立地のポイントは、何だと思いますか。
街の中心部?少し郊外?大通り沿いか否か、など、色々出てくることでしょう。
例えば、もし会社を設立するだけなら、首都のど真ん中が何かと便利かもしれません。
もし工場などを設立するのならば、少し郊外でも、コストを押さえて広い土地を確保出来て、いいかもしれません。
医療分野で考えても、例えばリハビリセンターなども、少し郊外で緑が多く土地が広い所の方が、患者さんも気持ちよくリハビリが出来るかもしれませんね。
しかし、私たちが設立するのは救命救急センター。
救急車が通れる広さの道路でアクセスがしやすい立地であることは必須条件です。
そして、設立する場所はカンボジアの首都プノンペン。
町の中心部ほど交通渋滞が頻繁に発生します。いくら救急車でサイレンを鳴らしていても、日本のようにスムーズに動けないのが途上国の交通渋滞です。
かといって郊外すぎると逆に救急車のアクセスも良くありません。
更に、万が一の際に国外搬送も出来るように、空港へのアクセスも要確認です。
アクセスだけではなく、土地探しには更に様々なチエックポイントが出てきます。
例えば、地元の方に紹介していただいた土地。
大通りからも近く、広さも十分で良いのでは、と思ったのもつかの間、その土地の前の道路は雨期には冠水してしまうことを知り、候補外に。
病院の前の道が冠水していて救急車が通れない、患者さんが到着出来ない、なんて洒落にもなりませんね。
他に紹介していただいた土地も、アクセス等は良いものの、すぐ隣に貧困街があり、治安などの問題から候補外に。
ただでさえ土地の選定は難しいのですが、このようにカンボジアならでは、医療機関ならではの条件も加わり、土地選びには本当に時間がかかりました。
それでも、沢山の土地を見たおかげでカンボジアの土地勘もつかめ、「この土地はいい!」「この土地はちょっと、、、」という直感なども働くようになってきました。
そして当たり前ですが、土地の選定時点では、ほとんどの土地は更地かジャングル状態。ここに私たちの夢と目標である、救命救急センターが建つかもしれない!想像するだけで本当にワクワクしたものでした。
それから約5年近く経ち、先日、カンボジア病院の起工式がありました。立地は、色々変更があり2010年の調査時に検討した土地ではありませんでしたが、当時土地を探し回った経験は、今回の土地選びにも生きたのではないかと思います。
【カンボジアプロジェクト立ち上げ記その8】