前回では、上海での医療費と保険についてお話しました。
上海に駐在している邦人は原則海外旅行傷害保険に入っているため、キャッシュレスで医療が受けられる。だから、医療の値段を気にしないのだ、ということでした。
そこでマネージャーである私は、患者さんが気にしないなら値段を上げていいんじゃないか、と提案したのですが、意外にもスタッフからは「ちょっと待て」の意見。
なぜでしょうか?
理由は2つありました。
ひとつは、日本人であっても海外旅行傷害保険に入っているとは限らない、ということ。
例えば中国人と結婚して日本から嫁いで来た女性や、「上海で一旗あげるぞ!」と意気込んで身一つでやってきた日本人の若者(実業家)などは、保険に入っていない方も多いと思います。でも、具合が悪いときに日本人の医師に診てもらい、日本式のサービスを受けたいという気持ちは同じはず。そういう方々も無理なく支払いができる値段設定にしておくことが重要だということでした。
そしてもうひとつは、「治療経過中の慢性疾患」がほとんどの保険でキャッシュレスサービス対象外だということです。つまり、日本にいるときから治療している高血圧や糖尿病等の治療費・薬剤費は自費での支払いになってしまうのです。これは患者さんにとっては大変な出費です。薬代が負担だからといって途中で自己判断で通院を中止してしまう可能性もあるので、そうならないような値段設定が必要とのこと。
そう言われてみれば確かにそうです。患者さんのことを全く考えていなかったことを恥ずかしく思いつつ、どんな値段設定が妥当なのか考えました。
そして考えた結果、大幅な値上げはせず、他にはないサービスを取り入れて患者数を増やしていこう!ということで、様々な新しい試みに挑戦していくことになりました。
さて、そのサービスとは??
海外プロジェクトブログその3