「Jトレ」と「あしたば」 ~私の取り組む就労支援~

初めまして。障がい者の就労支援を担当しているサイママと申します。

私は北原国際病院にて脳卒中や頭部外傷など、脳の損傷をされた患者さんに対して再び働く為の支援をしています。民間の医療機関では珍しい独自の取り組みで、紹介する2つの援を軸に様々な支援を行っています。

-再び働くことを目指したリハビリ「Jトレ」-
再び働くことを希望する患者さんを対象に、外来での作業療法プログラムを展開しています。院内では、通常のリハビリと区別し易くする為に、「Jトレ」という名称で取り組んでいます。
具体的にはパソコンでのデータ入力や書類の整理など、職場の業務に類似した作業を訓練課題に取り入れ、麻痺や高次脳機能障害などの後遺症の回復を促しています。また、訓練への参加を通して、働く為に必要な体力の向上や生活リズムの改善を促したり、患者さん自身が自分の現状を理解していくことを促したりしています。

-ボランティアサークル「あしたば」-
こちらは、「Jトレ」と同様に働くことを希望する患者さんを対象にしていますが、「あしたば」と称して、院内でのボランティア活動を展開しています。
具体的には、病院の入院パンフレットの作成や、消耗品の在庫数の確認、パソコンでのデータ処理などをボランティアスタッフとして実施してもらいながら、仕事の達成感を感じていただいたり、同じ目標を持った仲間との出会いの場として利用してもらっています。また実際の作業の様子を見ながら、後遺症の影響について確認をしたり、再び働くために必要なアドバイスなどを行っています。

これまでに50名以上の患者さん達と出会い、それぞれが希望する働き方を目指すためのサポートをしてきました。
最近は、これまでの支援経験をもとに、急性期病棟や回復期病棟に入院している患者さんの相談にのったり、リハビリ内容のアドバイスをするなどの取り組みも開始しました。

また医療機関のリハビリスタッフを対象に、入院中からできる就労支援についての話題提供をさせて頂いたり、脳を損傷された方の就労支援がより充実するように研究活動にも取り組みながら、脳の損傷をされた方が一人でも多く社会復帰ができるように仕事をしています。

これから、「働くこと」をテーマに、私達が日々取り組んでいることや考えていること、支援している患者さん達のこと、今後取り組まなければいけない課題などについて、お伝えしていきたいと思います。

次回は、なぜ、私が今の仕事に取り組んでいるのか、そのきっかけについて、紹介させて頂きたいと思います。

【就労支援ブログその1】