オヤミル取材「作業療法士が行う、障がい者への就労支援。」

北原病院グループのソーシャルケアユニットでは「明日葉」という作業療法士が行う、障がい者への就労支援を行なっています。

「明日葉」は自費診療での就労支援サービスで、医療保険診療ではカバーされないサービスを作業療法士がマンツーマンで提供しています。その「明日葉」を、介護する人とリハビリ専門職を繋げるサイト「オヤミル」に取材して頂きました。

記事では「明日葉」を運営している作業療法士の峯尾が語っております。

 

北原国際病院では、院内での就労支援と院外での就労支援の双方を実施している。
院内の就労支援は、「Jトレ」といい、主に北原国際病院の外来患者に対し、作業療法として行われている。
患者さんたちが、北原国際病院の作業療法士の支援のもと、パソコン訓練や物品請求・ピッキング・書類仕分けなどの課題に取り組んでいる。

院外での就労支援は、「明日葉」という就労サポートサービスだ。
北原国際病院の作業療法士が平成22年に立ち上げた。病院以外では、患者さんが就労支援のプロでもある作業療法士となかなか会える機会がない。そんな中、「明日葉」では、一定の料金を支払うことで作業療法士によるマンツーマンの就労支援サービスを受けることができるのだ

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マンツーマンサービスについて、サービス責任者の作業療法士、峯尾舞さんにお伺いした。
「明日葉では、利用者さんの状況に合わせて各種のサービスを実施しています。例えば就労に関するテーマでのセミナーや、昼食をとりながらのグループ訓練、企業訪問ツアー、通勤練習プログラムなどのサービスを提供し、さらに後方支援として、私たちが医療機関や支援機関、ハローワークなどの関連機関と連携したり、支援者会・卒業者会等も実施しています」

 

-作業療法士の峯尾さん-

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加えて、明日葉の対象者についても聞いてみた。
「対象者は再び働くことを目指す在宅生活を送っている方です。利用者は40代~60代と幅広く、まだまだ働き盛りの方も多いです。就労を目指すため、少なくともADL(食事・排泄・整容・更衣など)が自立されていることが理想ですが、必ずしも皆さんがはじめから自立しているわけではありません。そこは、時間をかけて関わらせていただくことができる、医療機関外の民間サービスの良い点で、『はたらきたい』という気持ちを尊重しながら、就労に向けた準備進めていきます。就労支援と言っていますが、色々チャレンジしてみた結果、『やっぱり自分には働かない生活が良いと思う』と就労以外の生き方を選択される方もいらっしゃいます。」

 

-今回、院内を案内して下さった作業療法士の渡部さん-

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平成26年度は、サービスの利用者は20名。うち再就労達成者数は5名で、一定の数の利用者さんが、再就労を果たしている。また、その中には復職だけでなく、新規就職の方もいるという。

実際問題として、就労支援には様々な課題がある。
企業の状況と利用者さんの状況を調整して緻密に支援を行い、就労した後もミスマッチが起きないように、常に支援する必要がある。
実際、就労したものの、ミスマッチが起きてそのまま契約解除という状況は少なくない。

そのような中で、就労に必要な各種の“作業”“プロセス”“人とのコミュニケーション”そして、“医学的観点”からも利用者さんを支援できるプロである作業療法士が傍にいることは、当事者の方にとって非常に心強い。
このような活動が全国でももっと実施されれば、仕事という人生の中のひとつの喜びをもっと広げていけるのではないだろうか。

 

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